ミクロも内部も映し出す
可視光よりも波長の短い電子線やX 線を操り ミクロの世界や人間の体内を高精細に画像化しています。
電子線センサー
カメラなどに使用されているCMOSセンサーを電子顕微鏡用に応用。
グローバル電子シャッター機能、高解像度、高フレームレート、低ノイズといった特長が観察能力向上に貢献しています。
電子顕微鏡用CMOSカメラに搭載
キヤノンのセンサーをカスタマイズし、日本電子株式会社様の透過電子顕微鏡用CMOSカメラに搭載されています。
電子顕微鏡でみる世界
透過電子顕微鏡は、可視光やX線よりも波長の短い電子線を使って、光学顕微鏡よりも高い分解能で試料の構造・組成などを調べることができる装置です。
さまざまな分野において、大学や研究機関などでの研究に活用されています。
画像提供:日本電子株式会社様
画像提供:日本電子株式会社様
画像提供:日本電子株式会社様
X線検出器
X線を使用するCT診断装置において、低ノイズ・高精細な画像を取得できる「大視野高精細検出器」を開発。
患者さんの被ばく低減と診断精度の向上に貢献しています。
※メディカル展示では当社取り組みを示しています。特定の医療機器/サービスの販売促進は意図しておりません。
フォトンカウンティングX線検出器(X線)
2021年にキヤノングループ入りしたレドレン・テクノロジーズ社とともに、フォトンカウンティングX線検出器を開発。
CT診断装置への応用を進め、被ばく量の低減や、低ノイズ・高精細な画像取得など、新たな価値提供を目指しています。
※メディカル展示では当社取り組みを示しています。特定の医療機器/サービスの販売促進は意図しておりません。
フォトンカウンティングX線検出器 製造の流れ

暗闇も一瞬もとらえる
暗すぎたり、速すぎたり、人の眼では見えない被写体を確実にとらえるセンサー。 さらにディープラーニングを用いて忠実な画像化を実現します。
SPADセンサー

CMOSセンサーとは異なる原理の「SPADセンサー」。
画素に入ってきた光子(フォトン)を一粒ずつとらえてカウントすることで、低ノイズ・高感度・高画素を実現。暗闇でもまるで明るい場所のように撮影できます。
キヤノンのSPADセンサーの特徴
・世界最高320万画素※
・低ノイズ
・超高感度
・高速応答
※「2023年7月31日現在(キヤノン調べ)」
光は波であり、粒子である
アインシュタインが唱えた「光の二重性」
光の波動性と粒子性
19世紀初頭、光は回折する、反射する、干渉するといった性質から、光は波動であるとされていました。
しかし、20世紀に入り、「光電効果」(光が金属にあたるとその金属の表面から電子が飛び出してくる現象)等の物理現象から
光には粒子的な性質も有することが証明され、光には波動性と粒子性、二つの性質を有することが明らかになります。
光の波動性を示すヤングの実験(二重スリットを用いた干渉実験)を光の粒、光子(フォトン)を一粒ずつとらえることができるキヤノンのSPADセンサーを用いて行いました。
果たして、光の“波”と“粒子”その二つの性質を証明することができるでしょうか。
デュアルピクセルCMOS AF用センサー
快速、快適、高精度なオートフォーカス(AF)を実現する「デュアルピクセルCMOS AF」。
全ての画素が撮像と位相差AFの機能を兼ね備えた画期的な構造のセンサーにより「低照度」や「被写体が高速に動く」環境での高速、高精度なオートフォーカスを実現します。
デュアルピクセルCMOS AF用センサー
・CMOSセンサーのひとつひとつの画素(画像信号を出力できる構造の最小単位)が、独立した2 つのフォトダイオード(光を電気信号に変換する素子)で構成され、撮像と位相差AF の両方に利用できる信号出力が可能。
・「広範囲かつ高速なAF」「優れた連写撮影性能」「動画撮影時の滑らかなフォーカス制御」に貢献。
ディープラーニング画像処理
写真に生じるセンサーノイズ、モアレ、収差・回折ボケ等を抑えるためディープラーニング技術を開発。
キヤノンの蓄積する画像データやノウハウにより学習データを高精度化し高画質を実現。撮影シーンが広がります。
4つのディープラーニング画像処理(ノイズリダクション、色補間、収差・回折補正、アップスケーリング)を組み合わせることで、細部の描写性能向上やノイズ低減を高いレベルで実現し、被写体のより忠実な再現が可能となりました
カメラ機種名 Canon EOS R5
Tv(シャッター速度) 1/500
Av(絞り数値) 1.2
ISO感度 12800
レンズ RF50mm F1.2 L USM
焦点距離 50.0mm

安全に内部を検査する
テラヘルツ波、超音波、ラジオ波など波長の長い波を用いて、 安全に物体や人体の内部を検査します。
テラヘルツ技術
キヤノンは、世界最高出力※のテラヘルツ半導体デバイスを開発。従来に比べ、大幅な小型化も実現したことで、テラヘルツ光源をさまざまなシステムに簡単に組み込むことが可能。セキュリティ・非破壊検査・センシング・通信ネットワークなどテラヘルツ波の活用に新たな可能性をもたらします。
※世界最高出力…450 ギガヘルツ出力の半導体デバイスにおいて。2023 年 8 月 31 日現在(キヤノン調べ)
テラヘルツとは?
電波と光の中間の「波」
「テラヘルツ波」は、携帯電話に使われる電波、私たちが目にする可視光、リモコンに使われる赤外線、レントゲンに使われるX 線などと同じ電磁波の一つです。
電波と光の中間の周波数帯にあり、一般的には0.1THzから10THzの範囲の電磁波を指します。


電波の透過性、光の直進性
テラヘルツ波は、紙・プラスチック・セラミックス・木材・繊維などを透過します。そのため、これらの内部の情報を、非破壊で得ることができます。
また、テラヘルツ波は、レーザー光線のように直進する性質を持っています。測定したい物に照射し、透過・反射してきたテラヘルツ波をカメラで捉えれば、画像化することができます。

活用への期待
X 線などの放射線と比較して、テラヘルツ波はエネルギーが極めて低い( X 線の100万分の1程度)ため、人体への被ばくの心配がありません。
テラヘルツ波を使った技術は、ボディースキャナーなどのセキュリティ用途や、さまざまな分野における検査装置への活用が期待されています。
また、次世代の通信方式である「Beyond 5G / 6G」でも活用が検討されており、高速・大容量通信を実現する技術として注目されています。
超音波 送信・受信技術
超音波診断装置において、独自の「プローブ」の構造と送受信技術の組み合わせにより、体内の深いところまで鮮明に画像化することを可能にしました。診断精度の向上に貢献しています。
※メディカル展示では当社取り組みを示しています。特定の医療機器/サービスの販売促進は意図しておりません。
MRI非造影撮像技術
体内から発するラジオ波を画像化するMRI装置において、造影剤を使用せず、対象血管のみ抽出する撮像方式を開発しました。造影剤投与による身体への負担軽減に貢献しています。
※メディカル展示では当社取り組みを示しています。特定の医療機器/サービスの販売促進は意図しておりません。
MRI装置の構造
強力な磁場を発生・制御する装置に患者さんが入り、磁気と電波の力を利用して内臓や血管・組織を撮像する装置です。

非造影撮像法の原理と特徴
磁気のかけ方、照射する電波、信号読み出しの方法の発明により、造影剤を使用せず、観察したい血管や体液の鮮明な画像化を実現。お子さんや高齢者の方々にも優しい検査が可能になりました。

通常の撮像方式では、背景となる体組織と対象の血管が重なっており、血管のみを抽出しての観察は困難。

関心領域に“低信号化パルス(電波)”を照射。
照射した境域は、信号読み出し動作を行っても、信号レベル低となる。

一定時間後、関心領域に入り込んできた血流は、“低信号化パルス” を照射されていないため、血流部分のみが画像信号として描出される。
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